数学動画教材1107_01「テーマ:項を並べた式の表し方が理解できる」について

◆ はじめに ◆

今回は、数学動画教材1107_01「テーマ:項を並べた式の表し方が理解できる」の内容について少し詳しく説明します。今回は、少しややこしいかもしれません (^^ゞ

中学校数学を学ぶ人が、動画教材を見てからノートにまとめるときに参考になるような内容を目指すとともに、教える人の目線でも参考になるように考えて記事を書いたつもりです。いずれも2πr(にーぱいあーる)の見解でしかないのですが、よかったら参考にしてください。

また、この動画教材を使った自分なりの勉強の仕方で迷っているときは、ブログ「動画教材を使った勉強の仕方」を参考にしてください。サイト内検索で探す場合は、カテゴリー「勉強の仕方」で検索するとすぐ見つかります。アーカイブ(月単位)ならば「2018 6月」で検索してください。

 

動画教材へのリンク 1107_01_項を並べた式の表し方が理解できる_説明_by_2πr(にーぱいあーる)

動画教材へのリンク 1107_01_項を並べた式の表し方が理解できる_練習問題_by_2πr(にーぱいあーる)

◆ 「項を並べた式に直せる力」が一番大切  ◆

今回のテーマで一番身につけてほしいことは、「項を並べた式に直せる力」です。項を並べた式を理解するには欠かせないことだからです。

しかし、初めて学ぶことですから、他にいろいろと伝えたいこともあります。それらの重要度はそれほど高くないので、なぜ説明に取り入れたのかについて紹介しておきます。

最初の説明スライドでは「項を並べる式はなぜできたのか」について説明していますが、本当の歴史はわかりません。

ただ、こう考えれば「項を並べた式」が生まれたのも理解しやすいだろうなということで触れているに過ぎません。

ですから、ここはなんとなくでもいいので、「項を並べた式」のイメージを持ってもらえれば、それでOKです。

※「項を並べた式」を理解してもらうために、トランプゲームでの得点と減点を考えさせて「項のことをトランプ(カード)のようにイメージ」させるなど、いろいろな説明の仕方があります。

2枚目、3枚目のスライドでは、「なぜルール(きまり)ができたのか」について触れています。これも2πr(にーぱいあーる)が「多分こう考えてできたのだろう」という程度のものでしかありません。

正確なことは大学の先生にお任せして、2πr(にーぱいあーる)が中学生を教えてきた経験から「こう考えて、このようなミスはなくしましょう」というスタンスからこの説明は生まれました。

目的や意味を考えず、ルールだけを覚える人は、信じられないような間違いをします。その中でも特に目を疑う間違いは、-2+3-1という式を、-23-1と書く間違いです。

どう考えても、もとの式とは別な式になっているのですが、2番目の項の正の符号を省略してしまったことが問題だと本人は気づきません。

もし、「できるだけ簡単に表して、他の式と間違わないようにしたい」という「目的」が意識できていれば、このような間違いはぐんと減るはずです。

そうした経験から、あえて先頭でない2番目の正の符号+を省略してみたり、負の符号-を省略して見せています。

また、「項を並べた式を考えるときは、加法だけ考えればよい」ことを意識していないために、いろいろ間違いをする人もいます。ですから、あえて 「ひき算のことは考える必要はない」と付け加えておきました。

さて、話をもとに戻します。項を並べた式に直す練習をしているうちに、自然に、「項って何なのか」とか、「省略するルール」が、理解できてきます。それが「自分なりの項を並べた式のイメージ」を中心に整理されるといいなと思っています。

ちなみに、「省略するルール」とは「加法の記号+(たす)とカッコを省略するルール」のことです。スライドでは「表し方のきまり」としてまとめています。

また、わかっていたのにうっかり忘れてしまうのが「省略するルール」です。簡単なルールほどうっかり忘れると致命的なミスになりますので、まずは、どんどん項を並べた式をつくってみて、自分にとって忘れやすいルールを意識して、身につけてください。

+-が「加法や減法の記号なのか、正負の符号なのか」を意識して判断することも大切です。ここがあいまいだと、理解もあいまいになります。

読み方を区別することでその点が意識できると考えて、練習問題動画1番のような問題を載せています。馬鹿にしないで、いつも読み方を意識してください。

また、こうすることで、小学校で習ったひき算が実はたし算であることが実感できると思います。

このことは、次のテーマでも扱います。

いろいろ書きましたが、「項を並べた式に直せる力」をつけることは、今紹介したことがすべて身につくということにつながります。それが「項を並べた式の表し方を理解する」ことになります。

 

 

◆ 加法の記号とカッコをつけて元に戻せることも大切 ◆

「省略するルール」を正確に理解するには、項を並べた式を元の式に戻す練習も効果的です。

元に戻すことでいろいろ疑問が出て来ます。そのときは、「省略するルール」を何度でも確認して考えてみてください。

このときも、+-が「加法や減法の記号なのか、正負の符号なのか」を意識していると、理解しやすくなります。

なお、文字の項も突然出てきていますが、詳しいことは後で説明します。今は、「文字の項もあるんだ」程度でかまいません。

説明スライドでは、「表し方のきまり」と「項を並べた式をもとに戻すときの注意点」が整理されています。

「項を並べた式をもとに戻すときの注意点」では、「項がひとつの式には (  ) はつけない」という項目があります。もし、これを見てピンと来た人はセンスがあります。

何がピンとくるかというと、「カッコの役割」です。

「カッコの役割」とはなんでしょう?

「項を並べた式をもとに戻すときの注意点」の2つ目に「青い (  ) は 加法の+ と符号の+- を区別するためなので、必ずつける。」とあります。つまり、カッコの役割は、「加法・減法の記号と符号を区別して見やすくするため」ということになります。

とすると、先頭数字の前には加法・減法の記号はもちろんありませんから、カッコはつける必要はないことになります。

もっと言うと、最初の項にもカッコをつけたのは、「加法の記号+とカッコをとって項を並べた式にするイメージを強調したかったから」程度の理由だったか、「最初はそこまで考えていなかったから」かもしれません。多分、強い意味はなかったのでしょう・・・

このようなことを考えるようになれば、あなたはなかなかの実力がついています。

このように、項を並べた式を元の式に戻す練習は「考える力を高める」ことに効果的だと、2πr(にーぱいあーる)は考えています。(正解かどうかは別にして)

 

◆ 「考える力」とは? ◆

「考える力」とは、理由を積み重ねていろんなことをつなげることができる力だと思います。

ひとつの例が、前の段落で紹介した「カッコの役割」です。

説明を聞いたり、問題を解いているとき、「なぜ?」とか「あのことか!」といったつぶやきを持つことがあると思います。そのつぶやきからいろいろなことに気づこうとすることが「考える」ということだと思います。もちろん、理由があやふやなときには、動画やノートを見直したり、他人に質問したりすることが大切です。正しい理由をもとにいろんなことをつなげていくのですから、理由が正しくなければ、その考えは間違っていることになります。

もうひとつ、考える例を紹介しておきます。

 


(+2)+(+3)=(+5) を見た人が、「あれ、この式は正しい表し方?」とつぶやいたとしましょう。あなたなら、どんなふうに答えを出すでしょう?

当然、きまりを思い浮かべるでしょう。問題はどのきまりを思い浮かべるかです。最初のうちは全部にあたってもよいと思います。そうやって調べていくうちに、だんだん「あっ、あのきまりだ!」となってきます。

それでは、どのきまりが使えるのかを考えてみます。

「表し方のきまり」はどうでしょう?

① 加法の記号 +(たす)は書かない。

② 先頭数字の正の符号 +(プラス)は書かない負の符号 -(マイナス)は書く。

③ 2番目以降の数字には必ず符号 +- をつける

これは、「項(こう)を並べた式の表し方」でした。今は、項を並べた式を考えていないので、関係ないと判断できます。

では、「項を並べた式を加法の記号+を使って書く注意点」はどうでしょう?

・最初の項の (  ) は省略してかまわないが、そのときは +x x+5a 5a にする。

青い (  ) は 加法の+ と符号の+- を区別するためなので、必ずつける。

項がひとつの式には (  ) はつけない

このきまりは使えそうです。理由は、問題の式 (+2)+(+3)=(+5) は、加法の記号+を使って書いている式だからです。

では、ひとつひとつ確認してみます。

・最初の項の (  ) は省略してかまわないが、そのときは +x x+5a 5a にする。

について考えてみると、「かまわないが」とあるので、最初の項のカッコはあってもなくてもよいことがわかるので、問題の式 (+2)+(+3)=(+5) の最初の部分は正しいとわかります。

青い (  ) は 加法の+ と符号の+- を区別するためなので、必ずつける。

について考えてみると、2番目の項にカッコはつけるということですから、問題の式 (+2)+(+3)=(+5) の2番目の項の部分も正しいとわかります。

項がひとつの式には (  ) はつけない

について考えてみると、問題の式 (+2)+(+3)=(+5) の答えの部分が「項がひとつの式」になっていますから、カッコをつけてはいけないとわかります。

そのように考えていくと、 (+2)+(+3)=(+5) は (+2)+(+3)=+5 にするべきだという結論になります。

しかし、まだ関係しているきまりがあることに気づくことが大切です。

それは、さっは調べた

・最初の項の (  ) は省略してかまわないが、そのときは +x x+5a 5a にする。

というきまりです。

当然、答えの +5 は、「最初の項」になりますから、カッコを省略したそのときは、+5ではなく 5 にする必要があるとわかります。

このようにして、理由を考えていくと、 (+2)+(+3) =5 が正しい表し方で、 (+2)+(+3)=(+5) は間違った表し方だとわかります。もちろん、 2+(+3) =5 が一番簡単な表し方であることにも気づきますね。


 

どうでしょう。このように「理由を選びながら疑問の答えに近づいていくこと」が、考えるということなのです。そして、考えることで「きまりを整理する」ことができ、「きまりの使い方を理解し、きまりを覚える」ことにもつながってきます。

考えることが、実は一番効果的な記憶術のひとつであるということです。

 

何かを覚えるとき、意味も考えずに丸暗記する人がいますが、それは効率的ではありません。また、丸暗記では「いつどのように覚えたことを使うのか」が曖昧(あいまい)になってしまい、結局は使えない記憶が増えるだけになるでしょう。

「考える力」は「記憶力」も高めます。記憶は、すでに記憶していることに関連付けると覚えやすくなります。個人差はありますが、理由を考えながら覚えるというこは、理由を覚えながらその理由と関連付けて新しいことも覚えていくことにもなり、どこでどのように使うべきかも整理しやすくなります。

 

◆ 最後は「まとめ」で整理 ◆

さて、今回のテーマの説明動画では、「表し方のきまり」と「項を並べた式をもとに戻すときの注意点」があるのに、説明スライドの最後にも「まとめ」があります。

内容も微妙に違っていますが、それは「いろいろ説明してきた後だから」です。ですから、最終的には「まとめ」で頭を整理してください。

今回のテーマは、「まとめ」を人に説明できるようになれば卒業です。

言い換えると、「まとめ」を見て「あ~、あのことを付け加えて説明すればいいんだ」とすぐ浮かぶようになれば卒業ということです。

 

◆ 実はとても奥深い ◆

いつもならこれくらいで終わりになるのですが、今回はまだ続きがあります。もう少し頑張ってくださいね (^_-)v

項を並べた式に直す練習や元に戻す練習を続けていると、「人によって考え方が違うのに、最後は同じ答えになる」と感じることがあるはずです。それが、今回のテーマの奥の深さなのですが、ここでは簡単な例をあげるだけで、詳しいことは省略します。

どんな場面でもいいのですが、「人によって考え方が違うのに、最後は同じ答えになる」と感じることがあれば、あなたはなかなかいいセンスをしています。

 

それでは、ひとつだけ「奥深いと感じる例」をお話しします。


練習問題スライド4番 (1) を見てください。

8-1 を、加法の記号+を使って表す問題です。

多くの人は、「8マイナス1」と読んで、「8とマイナスの間に加法の記号+(たす)が隠れている」と考えるでしょう。

そして、加法の記号を復活させて、項をカッコで囲めばよいから、(+8)+(-1) としたと思います。

しかし、もし「8ひく1」と読んだ人がいたらどうでしょう?

実は、次のように考えると「8ひく1」と考えても正しい答えにたどり着きます。

「8ひく1」で「8も1も正」だから、正の符号とカッコをつけて (+8)-(+1) となる。

減法はひく数の符号を変えて加法にできるから、 (+8)+(-1) となる

 

どうでしょう?

「8マイナス1」と読んでも、「8ひく1」と読んでも、ちゃんとした理由を考えていくと、同じ答えになるのです。奥が深いと思いませんか?


できれば、どんな小さなことでもよいので、疑問などが浮かんだら自分で「考えて」みてください。その繰り返しが、本当の勉強になります。本当の実力につながります。

ときには、このブログや教科書に書かれていることにも疑問の目を向けてもかまいません。

「考えることこそ学習です。」

 

◆ 混じった式と読み方 ◆

さて、次は実際の問題で間違えやすい問題に焦点を当ててお話をします。

それは「混じった式」です。「混じった式」とは、この場合「項を並べた式とカッコのある式が混じっている式」のことです。

この式は、後で学ぶ「たし算、ひき算、かけ算、わり算が混じった式」の計算で必ず出てきます。言い換えると、今学んでいることは「たし算、ひき算、かけ算、わり算が混じった式」の計算の準備をしていることになります。

練習問題スライド5番(3)を見てください。

ここではじめて「項を並べた式とカッコのある式が混じっている式」が紹介されています。

「奥深さ」で説明したようなことが、ここでも書かれていますが、そこは自分で考えてください。

大切なことは、 「項を並べた式とカッコのある式が混じっている式」があるという事実と、「その式をどう読むか」ということの2点です。

(4)~(6)のような式が「混じっている式」の例です。難しくはないと思います。しかし、0の考え方がややこしいといえます。まぁ、たいしたことではないのてすが・・・。

(4)と(5) では、0の扱いについて触れています。実は0だけは「項が並んだ式」でも正の符号ではなく加法の記号が使われると考えられます。その理由は、スライドにある通りです。

(4)の +0を「プラス0」と考えると、+0は項が並んでいると考えられるので、「混じった式」と考えてかまいません。

しかし、「たす0」と考えると、「加法の記号でつながれた式」と見ることもできます。実は、そのような理由から、(4) では「混じった式」という表現をしていません。気づきましたか?

(5) では、「たす0」も「ひく0」も、何もしないという意味では変わらないので、「減法は加法に直してから項を並べる」というきまりに従って、「-0」は「+0」に変えて「項を並べた式」としています。

(4)、(5)の内容については、考え方が人によって分かれるかもしれないので、気になる人は身近にいる先生に質問してみてください (^^;)

また、「問題の式の読み方」を聞くだけで、「問題をどんな式と考えているか」がわかります。

(4) の (-4)+0-(+3) を、「マイナス4プラス0ひくプラス3」と読む人と、「マイナス4たす0ひくプラス3」と読む人は、0の考え方が違います。

「マイナス4プラス0ひくプラス3」と読む人は、「プラス0はすでに項の表し方をしてるから、問題の式は項を並べた式とカッコのある式が混じっている式」と考えています。

「マイナス4たす0ひくプラス3」と読む人は、「たし算の記号ですべてつながれている式」と考えているといえます。

どちらでも、答えは同じになるのですが、最初の考え方が違うのです。

このような違いを大切にすることで、考える力のアップと、項の並べた式の表し方を本当に理解することができます。ですから、「まずは、読み方を通して自分の考え方を伝える」よう意識しましょう。

※読み方の説明では、あえて「カッコ」を読んでいません。「カッコ」をやみくもに読むのではなく、『「カッコ」を読まなくても相手が勘違いすることがないかどうか』を基準に、判断してみてください。きっと、よい「考える練習」になると思います。

 

◆ 「項を並べた式」に直してから計算! ◆

先ほど触れた「たし算、ひき算、かけ算、わり算が混じった式」のことを、「たし算、ひき算、かけ算、わり算」のことを四則(しそく)と呼ぶので、「四則が混じった計算」と呼びます。

※このことについては、後で詳しく説明します。

「項を並べた式とカッコのある式が混じっている式」を「項を並べた式」に直すことの大切さは、「1-(-3)×(-2)+8÷2」という「四則が混じった計算」を考えるとわかります。

 


後で学びますが、(-3)×(-2)=+6 となります。

このことを使うと、1-(-3)×(-2)+8÷2 の計算をすることができます。読み方は、[1ひくマイナス3かけるマイナス2たす8わる2]です。

小学校で、「たし算・ひき算よりかけ算・わり算を先に計算する」と習っていますから、次のようになります。

1-(-3)×(-2)+8÷2

=1-(+6)+4

=1+(-6)+4

=1-6+4

=-5+4

=-1

どうですか? 今習っていることも、前に習ったことも、しっかり使っていますね。

これからは、「ほとんどの計算では、項を並べた式にしてから、同符号・異符号の2数の和を使って計算する」ことになります。

今回の計算では、「減法は、ひく数の符号を変えて加法に直す」を使って 1-6+4という「項を並べた式」にしてから、1-6と-5+4の計算で「同符号・異符号の2数の和」を使いました。


 

以上のことから、「項を並べた式とカッコのある式が混じっている式」を「項を並べた式」に直すことがとても大切だとわかります。

数学は、前にならったことをうまく組み合わせて使うことで新しいことができるようになります。今回のテーマは、正の数・負の数の加法・減法のひとつの区切りのテーマです。

今まで習ったことがどのように使われているのか、考えてみるとよいと思います。

「項を並べた式」に直してから計算!』は中学校で計算する加法・減法の最終奥義のようなものです。中学校の計算で基本中の基本となる内容なので、しっかり理解して、身につけましょう。

 

今回は、以上です。

 

このエントリーをはてなブックマークに追加

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

19 + five =